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十四
里への報告に出た三人が戻り、残り二週間も廓の潜入継続となった。
だが都合良く毎日諜報相手が来る訳は無く、旅の芸妓を名乗るからそのシゴトをする。そして宣伝は一切していないのに、何処から聞くのかと思う程お座敷が掛かり、指名されては断れず幻術で本番の夢を見せる毎日だ。
一番若い子が、閨だけの客に毎日のように使う幻術で疲労が溜まり帰りたいと泣く。だが本来の諜報任務の為に我慢しろと言う仲間達も限界に近い。
座敷がハネると指名客を伴い部屋に下がる。個室が与えられ、対処が個々に任されて気を抜けない。乱暴な客に部屋に入りざま犯され掛けて張り倒した者もいた。

今夜で終わりだ、と安心したイルカは指名した優しそうな客に笑い掛けた。只の物見遊山だと家来を従えた小国のお殿様は何処かカカシを彷彿とさせ、イルカの胸が疼いた。
抱き寄せられた瞬間に帯を解かれる。しまった、術を掛けなければ。と印を組もうとした手は素早く絡め取られ、唇を塞がれた。
忍びだとは判らず油断した。他の仲間達は無事なのかと部屋の外を窺うが、何も聞こえないし感じない。まさか、と体を離そうにも男の力は強すぎた。
「なあにを心配してんの、いいから集中しなさいよ。」
はっと顔を見れば、変化を解いたカカシだった。目を細めイルカに笑うその顔にそっと震える指を這わせた。
「カカシ先生。」
「ね、いい加減その呼び方は止めて欲しいんだけど。」
何を言うのかと、イルカは目を丸く開き絶句した。状況を掴めないまま布団に縫い付けられる。
「我慢出来なくて迎えに来たんだよ。」
お仲間達も恋人や旦那が来てるから、今夜は皆他人には構ってられないの。
含み笑いでイルカの首に舌を這わせ、耳の下を吸い上げた。
「もう痕を付けてもいいんだよね。」
熱い舌が胸に辿り着き唇が乳首を思い切り吸うと、痛みと共にイルカの内に快感が湧いてきた。
「イルカ、お前だけしか見えない。」
カカシの言葉は本心だった。イルカを初めて抱いてから、笑顔も泣き顔も心を離れない。
子どものように抱き付いて縋るカカシの髪を撫でながら、イルカは腰を振り続けた。
ああんもう、どうでもいいわ、私はこの人が好き。捨てられたって殺されたって好き。
カカシの熱は絡み締まる膣に全て吐き出されたが、抜かれる事無く体位を変えてまた穿たれる。
ひと息付いて治まったかに見えた柔らかな棒に、イルカは唇を寄せた。裏筋を下から舐め上げ、雁首を口に含む。苦味に眉を寄せ、だが先の穴に残るそれも吸うとまた大きく硬くなった。
起き上がろうとするカカシを止めて、イルカは広げた脚の間がカカシから見えるように跨がった。
中腰でゆっくり肉棒を穴に差し入れる。半分入った所で腰を浮かし、カカシを上目使いで挑発しながら棒を抜く。其れを数回繰り返すとカカシが苛めないでよと掠れた溜め息を吐き、イルカの腰に手を掛けその動きを止めた。
ずんと下から突き上げると長い竿は簡単に最奥に届き、イルカは背を反らし叫びを上げて痙攣し始めた。
速く短い抽捜にぐちぐちと水音が響く。熱い液がカカシの二つの袋に滴り、陰毛が擦れて更に粘膜に刺激を与えた。
脚の力が抜けてカカシの上に座ったイルカを前後に揺すり、竿の張り出しに当たる其処を攻める。粘膜にぴったり包まれながら数の子に擦られ、カカシは浮き上がるような感覚に襲われた。
「…イクよっ。」
いやあ、とイルカが跳ねた直後にカカシも一瞬意識を飛ばしていた。
跨がったままカカシの胸に手を着き、余韻に浸るイルカの顔からポタリと落ちたのは汗か涙か。そして崩れ落ちカカシの胸に沈んだ。
互いの鼓動が重なり、其れだけが煩い程に響いていた。
「寝よう。朝迄時間はある。」
目が覚めてカカシが居た事は無く、また置いて行かれるとイルカは震える。
「一人にしないで。」
離さないから、と腕枕でイルカの髪を撫でる仕草も閨の偽りなのかと息苦しい。溢れる涙を見られないようにカカシの胸に顔を埋め、イルカは眠りに付いた。
カカシは腕の中の小さな存在を愛しいと思う自分に驚いていた。まさか、初恋などとふざけてみたが此れは本当にそうなのか。
いや、只の執着だ。処女を征服し気が済んだ筈が、自分の奴隷にする事が面白くなっただけだ。体はオレを今迄に無い絶頂に導く最高の道具に仕上げられたし。
其れだけの筈なのに、イルカの体温は安らぐ。
あの女達と共寝する気は端から無かった。穴に熱を放ちながら揉んだ乳も尻も、一人としてオレに心を向けては居ないと触れた手のひらに感じた。
イルカのチャクラはどんなに酷い仕打ちをしてもオレを温かく包んで揺るぎなかった。その言葉も同様に、真っ直ぐオレに向いている。
ふあぁ、と欠伸を吐きカカシは瞼を閉じて笑った。
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