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「勿体ないから駄目。」
嫉妬かよと皆が思ったが先生開けてやってとカカシは気をそらし、イルカは慌てて三人の包みを開け始めた。
サクラからは七色のパステルカラーの髪紐と、お揃いの吊り下げイヤリング。
サスケからはベストのポケットに納まる携帯巻物。イルカの口寄せ用にと名前も織り込んである。
ナルトからは一楽の優待券。奮発してお得意様三ヶ月半額カードだ。
お互いを褒めてかつ自分が一番だと譲らない、チームワークもあるんだかないんだか、と笑うカカシにナルトが聞いた。
「カカシ先生は?」
サクラとサスケも頷く。
誤魔化しようもなく、カカシはのろのろと小さな箱を出して俯いた。
「…オレの気持ちです。」
急かされて開けると、銀色に光るチェーンとその先に透明の石が幾つも嵌め込まれたハート型のペンダントトップ。
「これ今年のクリスマスの目玉商品ですよね、あの宝石店の。ダイヤ綺麗ねぇ。」
彼女に贈っていつでも自分は此処にいるよと言ってあげよう、なんてベタなキャッチコピーの一点物なんですよ、でお前はオレのものだなんてね、と一気に捲し立てたサクラは、流石に金額は言わなかった。
こんな高価な物は、と躊躇い断りそうなイルカに、金額は関係なく自分が似合うと思ったので選びました、とカカシは土下座した。
「サクラが言うようにオレがいます、オレが貴女を守ります。貴女を守るのはオレだけです。」
言ってしまった、とカカシは肩で息をした。イルカの返事を待つ間が長く怖い。断られたら今すぐ帰還予定のない任務につこうかと、里の宝と呼ばれる男が情けない。
「カカシ先生、あたしに着けてください。」
とイルカがペンダントをカカシの手に落とした。
「あたし、カカシ先生のものになりました。」
こども達も目に入らず、カカシはイルカを抱き締める。愛してる、愛してる、と言えなかった長い間の分を埋め尽くそうと何十回言ったか。苦しいとイルカが背中を叩いて初めて気が付いたカカシは、それでもイルカを離そうとは思わなかった。こども達も諦めて、カカシの胡座の中に収まる嬉しそうなイルカを眺めていた。

それでひと晩中のろけを聞いてたんだって?
紫煙を追いながら預かった三人の下忍の愚痴を聞いていた上忍師は、隣で目を輝かせながら聞いていた女性上忍師に良かったなあ、と言って窓の外を見た。きっと今日は里外から最速で帰るだろう、純愛を実らせた男は。
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