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これで終わりかとカカシは胸に穴の開いたようや寂しさを覚えたが、引き止める理由は何もないのだ。
掛ける言葉を探せば、それは別れでしかない。
「ありがとうございました。ご報告を宜しくお願いいたします。」
と言われてカカシは思わず自棄になった。
「俺との約束はどうすんの。」
拗ねた言い方と顔に、イルカはほんのりと染めた笑顔で答えた。
「もう一度。左手のゆびきりは約束になりませんから。」
差し出した右手の小指に、カカシは漸くかと自分の右手の小指を絡めた。
「私を迎えに来て下さい。」
「その台詞、俺が先に言いたかったのに。」
ぶすっとして、カカシはイルカを引き寄せその唇にいきなり口付けると、今度はこっちで約束してと笑って走り出した。
「必ず迎えに来るからね、浮気は許さないよ。」
残された上忍達が、大笑いしながらカカシの後を追い掛ける。
「カカシの奢りで祝い酒だ。」

「カカシさんの馬鹿あぁー。」
イルカの叫びは空しく木霊となって跳ね返るだけだった。
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