くそったれ!
…とサスケの独り言、今日は八回目だっけか。最近は口癖になってしまったようだ。元から口が悪いのは知っていたが、俺に負ける度に後ろを向いてブツブツ言うなんて。
「精神衛生上良くないよ?」
サスケの正面にしゃがみこみ俯いた顔を覗きこんでそう言うと、いきなり頭突きを喰らった。
「酷いなぁ、心配してるのに。」
怒っちゃ駄目。ニコッと笑うと今度は脛を蹴られた。…ん、我慢。イルカ先生はよく耐えたよなぁ、とちょっとだけ黒いオーラが漏れたら、サクラが俺の肩を叩いた。
「イルカ先生は遠慮なく拳骨を落としてましたよ。カカシ先生はそこまでよく我慢出来ますね。」
ああ、そうなんだ、と思った時には俺もサスケを逆さ釣りにしていた。
「仮にも上忍師をなめないでよね。」
さあ何を罰としようか。脇でサスケを笑っているナルトも一緒に崖登りだな。切り株の重りを背負わせて。
いいもん、イルカ先生にラーメンおごってもらうんだってばよー。とナルトの呟きが聞こえた。暫くは会えないの解ってないんだな。
俺とサクラは断崖絶壁の頂上で待つ。分身の俺が二人、ナルトとサスケに付いているから何があっても大丈夫なはずだ。というか、あいつらも腐っても下忍だからこれくらいで怪我をしたら恥ずかしいだろうね。
「先生、此処まで何分かかると思いますか。」
流石サクラ、既に訓練モードの目だ。
俺は首を横に振って言った。
何秒、の間違いだろ。
はい、そうですね。と頷くサクラの口の端だけの笑いは俺も怖い。
「あの知り株はそれぞれの体重と同じなんだ。」
俺の言葉にサクラは片眉を上げた。
何だ、つまらない。と顔に書いてあるが、修業は始まったばかりだからね、これからさ。
にこりと笑ってやると、サクラはやだ気持ち悪い、と体を後ろに引いて顔をしかめた。酷いなあ、俺の最高の笑顔にそんな顔をする女はいないんだぞ。
「あ、先生来ました。」
おー、やっぱりサスケが早いな。だけどチャクラを出しすぎだ、後でバテるぞ。おっとナルトはそれを見て、サスケよりチャクラを出して抜こうとする。別に競争しろとは言ってないんだけどなあ。
「先生、実況放送はいりませんてば。」
あははは、だって暇なんだもーん。
だもーん、じゃねえって能天気野郎。というサクラの声は聞かなかった事にしておこう。怒らせたらこの子が一番怖い。
なんて思ってたら、二人とも到着。
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。