鳳仙花の花が咲いた。薄いピンクがイルカ先生の口紅のようだと、俺は立ち止まり花を眺めた。
サクラが、あれはリップクリームというのだと教えてくれたが、俺には違いが判らない。
校庭では、授業で生徒達とイルカ先生が走っている。なんでも追跡の方法を教えるのだそうだが、俺には鬼ごっこで遊んでるようにしか見えない。でも、楽しそうでいいなぁ。
おっ抱き着きやがった。そこのガキ、帰り道の水溜まりに気をつけろよ。
あ、イルカ先生、俺に気づいてくれたのかな。え、隣のナルトに久しぶりって声を掛けただけか。俺も同じだけ久しぶりなんだけどな。
あーあ、授業が終わっちゃった。生徒達が校舎に戻って行く後ろから、イルカ先生も歩いて行く。
ねえ、せんせ。俺、ずうっと貴女に片想いしてるんですよ、知らないでしょうけど。

おいカカシ、心の声が漏れてるぞ。と、サスケが注意してくれるが、いいだろ、独り言さ。
あれイルカ先生、どうしたんですか。何か聞こえ…いや、気のせいじゃ。ない、です。って俺、勢いで言っちゃった。
イルカ先生、愛してます。オツキアイして下さい。
真っ赤になってうなづく先生の笑顔に、俺の心で鳳仙花の種がぱちんと弾けた。
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