喉を震わせ発した声は野太くて恥ずかしいと思ったのに、イルカの耳には自分のものとは思えない程甲高く聞こえた。
「あぁ…ん、んぅ、」
知らない場所を、知らない感覚が襲う。―これは多分、過ぎる快感。
「当たり。」
何が、と思う間もなくまた波が来てイルカは長い叫び声を上げた。
「解る?」
ふふっと嬉しそうなカカシに意地悪、と言い返すだけでも苦しい。
これか―。受け身の男が知れば、病み付きになると言われている場所。成程、痺れる下半身は動かせない程の余韻を持つ。
だから今もカカシが指を動かし中を広げる感覚があるが、そちらに気をとられていたお陰でイルカはまるきり痛いとは思わなかった。
いいよね、とカカシが膝を立て腰が浮いた瞬間に熱い塊が中へと滑り込んだ。太いカリが無理矢理内部を押し広げると、棍棒が内臓を逆行する辛さがイルカを襲ってきた。
歪む顔に慌てて動きを止めると大丈夫と弱々しい掠れた声で、潤んだ目をカカシに向けるイルカが煽るように見えて。
でも貴方の、そんなに辛そうな顔は見たくない。とカカシはイルカの上に前のめりになると、短い注挿を慎重にゆっくり繰り返した。イルカは注挿がもたらすむず痒いような微妙な感覚に耐えられず、腰が進む度にカカシの髪に指を入れ掻き回した。度毎にあ、あ、と断続的に漏れる声はもう我慢できないと大きくなっていく。
やがて苦労の末に根元まで収まった頃には、二人ともしっとりと汗をかいていた。
「ねえ、繋がったね。」
嬉しさにぽろりと溢したカカシの言葉に、たちまちイルカの身体が朱に染まった。それを自覚し手で顔を覆う。
「…入ってる。」
信じられないと呟いたイルカに、本当だねとカカシも微笑んだ。でも、二人でぐちゃぐちゃに溶け合いたいんだ。
イルカの腰の下に枕を入れ、首を伸ばして口付ける。身体の横に手を着くと、カカシは勢いよく腰を動かし始めた。ぬちぬちと、張り詰めたものが潤滑油を介して穴の内側を擦る。
カカシは最初から、自分のものを薄皮で覆うつもりはなかった。男だから避妊が必要ではないという訳でなく、イルカの全てを感じたいと思ったから。
熱い襞がうねりながら、カカシを奥へと誘っているように思えた。本能のままに注挿を繰り返すと、カリが擦るその一点からの刺激がイルカをあられもなく乱れさせた。
女なんか目じゃない。カカシは次第に打ち付ける事に夢中になっていった。
二人の腹の間でイルカのものが涎を垂らし、双球と共にぐりぐりと擦れた。達きそうで達かない焦れったさに、イルカはカカシの背に爪を立てる。自分のものも穿たれるその場所も、もう少しなのに。
快感を得る為に、自ら腰を揺すってカカシの身体に擦り付ける。するとカカシが気付き、イルカのぬめぬめとした先端に指を絡ませた。
「達かせてあげる。」
ああ、と仰け反り痙攣がイルカの吐精を教える。突き出した瞬間に中が締まり、カカシもぶるりと身震いして勢いよく最奥へと吐き出した。
くたりとイルカの上に被さり胸を合わせると、速い鼓動をじっと確かめながらカカシは呟いた。
「生きてて良かった。」
そのひと言でイルカは満たされた。
「そう思ってくれたなら、俺も生まれてきて良かった。」
乾いてくる身体の始末をしなければならないが、まだ動きたくない。幸せを噛み締めていたい。
「ねえ外、月虹が見えるよ。」
カカシの見る方に、月の回りにうっすらと虹が見えた。雨が降っていたらしいが、行為に没頭していて気付かなかった。
ぼんやりと月に照らされた庭の生け垣や木々が、重い滴に項垂れきらきらと光る。雨上がりに幻想的で荘厳な窓の外の景色が、二人を祝福しているような錯覚を起こした。
「綺麗だ…。あの時も、夢の中で虹を見たのを思い出しました。」
悪気を自分に閉じ込め、眠っていた時。
「夢で?」
「カカシさんと一緒に、虹の上を歩いていたんです。迎えに来たよって手を取ってくれて、虹の向こうにある筈の幸せを探そうって。」
イルカのまなじりから涙が落ちる。カカシはそれを唇で掬う。
「ああ…だから迎えに来てくれたって言ったんだ。」
あの時はただ、助けに来た感謝からだと思っていた。それはとても素敵な夢だ、だから幸せそうな顔をしていたのか。
「虹を渡った先で、幸せは見付けられた?」
「向こうから来てくれました。」
「良かったね。でもさあ、俺もその夢を見たかったな。」
カカシの髪を手で鋤いていたイルカが、蕩けそうな顔で笑った。
「これからは幾らでも見られますよ。」
「毎晩ね。」
手を取り、指を絡めて握る。
決して離さないから。そして夢もいいけれど、現実でも幸せという虹を二人で渡ろう。
「一生、ね。」
そしてカカシはまた、イルカの上に覆い被さった。
「あぁ…ん、んぅ、」
知らない場所を、知らない感覚が襲う。―これは多分、過ぎる快感。
「当たり。」
何が、と思う間もなくまた波が来てイルカは長い叫び声を上げた。
「解る?」
ふふっと嬉しそうなカカシに意地悪、と言い返すだけでも苦しい。
これか―。受け身の男が知れば、病み付きになると言われている場所。成程、痺れる下半身は動かせない程の余韻を持つ。
だから今もカカシが指を動かし中を広げる感覚があるが、そちらに気をとられていたお陰でイルカはまるきり痛いとは思わなかった。
いいよね、とカカシが膝を立て腰が浮いた瞬間に熱い塊が中へと滑り込んだ。太いカリが無理矢理内部を押し広げると、棍棒が内臓を逆行する辛さがイルカを襲ってきた。
歪む顔に慌てて動きを止めると大丈夫と弱々しい掠れた声で、潤んだ目をカカシに向けるイルカが煽るように見えて。
でも貴方の、そんなに辛そうな顔は見たくない。とカカシはイルカの上に前のめりになると、短い注挿を慎重にゆっくり繰り返した。イルカは注挿がもたらすむず痒いような微妙な感覚に耐えられず、腰が進む度にカカシの髪に指を入れ掻き回した。度毎にあ、あ、と断続的に漏れる声はもう我慢できないと大きくなっていく。
やがて苦労の末に根元まで収まった頃には、二人ともしっとりと汗をかいていた。
「ねえ、繋がったね。」
嬉しさにぽろりと溢したカカシの言葉に、たちまちイルカの身体が朱に染まった。それを自覚し手で顔を覆う。
「…入ってる。」
信じられないと呟いたイルカに、本当だねとカカシも微笑んだ。でも、二人でぐちゃぐちゃに溶け合いたいんだ。
イルカの腰の下に枕を入れ、首を伸ばして口付ける。身体の横に手を着くと、カカシは勢いよく腰を動かし始めた。ぬちぬちと、張り詰めたものが潤滑油を介して穴の内側を擦る。
カカシは最初から、自分のものを薄皮で覆うつもりはなかった。男だから避妊が必要ではないという訳でなく、イルカの全てを感じたいと思ったから。
熱い襞がうねりながら、カカシを奥へと誘っているように思えた。本能のままに注挿を繰り返すと、カリが擦るその一点からの刺激がイルカをあられもなく乱れさせた。
女なんか目じゃない。カカシは次第に打ち付ける事に夢中になっていった。
二人の腹の間でイルカのものが涎を垂らし、双球と共にぐりぐりと擦れた。達きそうで達かない焦れったさに、イルカはカカシの背に爪を立てる。自分のものも穿たれるその場所も、もう少しなのに。
快感を得る為に、自ら腰を揺すってカカシの身体に擦り付ける。するとカカシが気付き、イルカのぬめぬめとした先端に指を絡ませた。
「達かせてあげる。」
ああ、と仰け反り痙攣がイルカの吐精を教える。突き出した瞬間に中が締まり、カカシもぶるりと身震いして勢いよく最奥へと吐き出した。
くたりとイルカの上に被さり胸を合わせると、速い鼓動をじっと確かめながらカカシは呟いた。
「生きてて良かった。」
そのひと言でイルカは満たされた。
「そう思ってくれたなら、俺も生まれてきて良かった。」
乾いてくる身体の始末をしなければならないが、まだ動きたくない。幸せを噛み締めていたい。
「ねえ外、月虹が見えるよ。」
カカシの見る方に、月の回りにうっすらと虹が見えた。雨が降っていたらしいが、行為に没頭していて気付かなかった。
ぼんやりと月に照らされた庭の生け垣や木々が、重い滴に項垂れきらきらと光る。雨上がりに幻想的で荘厳な窓の外の景色が、二人を祝福しているような錯覚を起こした。
「綺麗だ…。あの時も、夢の中で虹を見たのを思い出しました。」
悪気を自分に閉じ込め、眠っていた時。
「夢で?」
「カカシさんと一緒に、虹の上を歩いていたんです。迎えに来たよって手を取ってくれて、虹の向こうにある筈の幸せを探そうって。」
イルカのまなじりから涙が落ちる。カカシはそれを唇で掬う。
「ああ…だから迎えに来てくれたって言ったんだ。」
あの時はただ、助けに来た感謝からだと思っていた。それはとても素敵な夢だ、だから幸せそうな顔をしていたのか。
「虹を渡った先で、幸せは見付けられた?」
「向こうから来てくれました。」
「良かったね。でもさあ、俺もその夢を見たかったな。」
カカシの髪を手で鋤いていたイルカが、蕩けそうな顔で笑った。
「これからは幾らでも見られますよ。」
「毎晩ね。」
手を取り、指を絡めて握る。
決して離さないから。そして夢もいいけれど、現実でも幸せという虹を二人で渡ろう。
「一生、ね。」
そしてカカシはまた、イルカの上に覆い被さった。
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