カカシとの関係を既に皆に知られている、と即座にイルカは理解した。
「で、寄付で集まった分の不足を綱手様が出して下さったそうなんだ。」
イルカの瞬きが異常に増えた。次に視線がさ迷い、どこかへ逃げだそうと一歩を踏み出す。
「どこへ行くの、中を見なくていいの?」
羞恥から来る行動だろうと、カカシは思わず笑ってしまった。真剣に悩むイルカを怒らせないように、唇を噛んで笑い声をこらえ肩を抱いて中へと促した。
「わあ懐かしい…。え、カカシさん、もう家具まで揃えたんですか。」
ぐるぐると家中を回り、これもこれもとカカシに向かって指をさす。
「うん、昨日のうちに買っておいてと手配した。」
「誰にですか?」
「テンゾウ。」
またですか、とイルカはその人を思い浮かべ感謝と謝罪に心で手を合わせた。
「だってさ、今はあいつも暇だし。」
そりゃまあ、平和ですからね。とイルカも口籠ってしまうのは、五大国の忍びの里が和平協定を結んでいるからだ。
他の小さな里が反旗を翻し、今回の火の国における呪術の騒ぎなどはあるけれど。それもぼやで終わる事は解っている。
それでも暗部の精鋭と言われた彼に、私的な買い物をさせては申し訳ない…がとにかく二人とも忙しいから、助かるのも事実だった。
「今夜からここに来て。」
「で、でも、俺もカカシさんも荷物があるから。」
甘い誘いに尻込みしてしまう。だがまだ展開に気持ちが追い付かないイルカを、カカシはゆっくり追い込んでいく。
「今日俺は早く上がるからね、夕飯はここで食べようよ。二人でゆっくりできるなら、弁当でも構わないし。一度アパートに帰って明日必要な物だけ持ってくればいいでしょ。」
そうまで言われては頷かざるを得ない。踊り出しそうなカカシと共に、眉間の皺を深く作ったイルカは執務室に向かった。
「よっ、新婚さん。」
道すがらからかいの声を掛けられて、初めは真っ赤になって俯いたイルカだったが。
「ありがとうございます。…十四人目。」
自棄になり、笑って人数さえ数える始末だ。
山の向こうに落ちる前、自己顕示欲の激しい夕日が眩しい。何がなんでも終わりにするんだと、カカシはいそいそと書類をしまい込んだ。
「さあ帰りましょう。」
腕を取るカカシに、イルカは素直にはいと頷き腕を絡ませた。
ほかほかの牛丼を食べた。風呂にも入った。まだ早い時間だからと、酒も少し。
ほろ酔いで何となく見ていたテレビが、いつの間にかアダルト映画を映し出していた。
それは男女が別れて再会して、やっぱりお互いの身体でなければ満足できないとただ絡んでいるものだった。
勿論局部はぼかしが入っているが、接合の大写しでは陰毛らしき影が判る。
女の喘ぎ声が絶え間なく続き、効果音の水音が男の腰の動きに合わせて響いていた。
カカシもイルカも、無言で画面を見詰めていた。
やがて女がイクと叫び、男も短い突き上げを繰り返して果てた。しかしそこで終わらず、男が女の身体を舐め回すとまた高まって体位を変えて交わり始める。
「…イルカ。」
興奮に掠れた声で名を呼んだカカシは、テレビから自分に移したイルカの目も欲情している事を確認した。
無言で立ち上がったイルカは、寝室へと向かいながらちらりとカカシを振り返った。カカシも立ち上がり、居間を暗くしてイルカの後を追った。
寝室の大きな窓から、低く半月が見えた。カーテンまで手が回らなかったらしい。
だがそのぼんやりとした明かりが、意外に効果的だった。ベッドの脇でお互いの寝巻きを脱がせ合い、月の光に浮かぶ身体を見れば今すぐにでもイケそうな気がした。
どちらからともなく足を踏み出し抱き合い、ベッドに倒れ込む。真新しい布団の、少し埃っぽい匂いと沈み込む柔かさ。
暫く抱き合ってお互いを見詰めていた。ふ、とカカシが笑って小さな声で愛してると囁き、イルカが顔を寄せて貴方だけと目を瞑ったのが合図だった。
片肘を着いて身体を起こしたカカシが、イルカの顎を掴み唇に齧り付いた。ねぶるように口内を探り舌を絡め、イルカが応えて溢れる唾液を飲み込むと息継ぎに一旦離す。
鼻で息をする事を忘れていたのだ。イルカも同様に肩で息をしていた。
起き上がり身体を跨いで腰骨の両脇に膝を着くと、立ち上がったイルカのものとカカシのものが擦れ合った。
あ、と戸惑うイルカの声に屈み込み胸を合わせながら大丈夫だよと優しく声を掛ける。二人とも裸の胸に相手の体温を感じ、せわしない鼓動に更に興奮していった。
カカシはイルカの首を吸って痕を付けた。そして見せ付けるように舌を伸ばし、ちろちろと胸までを擽る。
辿り着いた乳首を交互に舐めて吸って、逃れようとイルカが僅かに身体を揺らすがカカシは膝を締めて逃さないと呟いた。
「で、寄付で集まった分の不足を綱手様が出して下さったそうなんだ。」
イルカの瞬きが異常に増えた。次に視線がさ迷い、どこかへ逃げだそうと一歩を踏み出す。
「どこへ行くの、中を見なくていいの?」
羞恥から来る行動だろうと、カカシは思わず笑ってしまった。真剣に悩むイルカを怒らせないように、唇を噛んで笑い声をこらえ肩を抱いて中へと促した。
「わあ懐かしい…。え、カカシさん、もう家具まで揃えたんですか。」
ぐるぐると家中を回り、これもこれもとカカシに向かって指をさす。
「うん、昨日のうちに買っておいてと手配した。」
「誰にですか?」
「テンゾウ。」
またですか、とイルカはその人を思い浮かべ感謝と謝罪に心で手を合わせた。
「だってさ、今はあいつも暇だし。」
そりゃまあ、平和ですからね。とイルカも口籠ってしまうのは、五大国の忍びの里が和平協定を結んでいるからだ。
他の小さな里が反旗を翻し、今回の火の国における呪術の騒ぎなどはあるけれど。それもぼやで終わる事は解っている。
それでも暗部の精鋭と言われた彼に、私的な買い物をさせては申し訳ない…がとにかく二人とも忙しいから、助かるのも事実だった。
「今夜からここに来て。」
「で、でも、俺もカカシさんも荷物があるから。」
甘い誘いに尻込みしてしまう。だがまだ展開に気持ちが追い付かないイルカを、カカシはゆっくり追い込んでいく。
「今日俺は早く上がるからね、夕飯はここで食べようよ。二人でゆっくりできるなら、弁当でも構わないし。一度アパートに帰って明日必要な物だけ持ってくればいいでしょ。」
そうまで言われては頷かざるを得ない。踊り出しそうなカカシと共に、眉間の皺を深く作ったイルカは執務室に向かった。
「よっ、新婚さん。」
道すがらからかいの声を掛けられて、初めは真っ赤になって俯いたイルカだったが。
「ありがとうございます。…十四人目。」
自棄になり、笑って人数さえ数える始末だ。
山の向こうに落ちる前、自己顕示欲の激しい夕日が眩しい。何がなんでも終わりにするんだと、カカシはいそいそと書類をしまい込んだ。
「さあ帰りましょう。」
腕を取るカカシに、イルカは素直にはいと頷き腕を絡ませた。
ほかほかの牛丼を食べた。風呂にも入った。まだ早い時間だからと、酒も少し。
ほろ酔いで何となく見ていたテレビが、いつの間にかアダルト映画を映し出していた。
それは男女が別れて再会して、やっぱりお互いの身体でなければ満足できないとただ絡んでいるものだった。
勿論局部はぼかしが入っているが、接合の大写しでは陰毛らしき影が判る。
女の喘ぎ声が絶え間なく続き、効果音の水音が男の腰の動きに合わせて響いていた。
カカシもイルカも、無言で画面を見詰めていた。
やがて女がイクと叫び、男も短い突き上げを繰り返して果てた。しかしそこで終わらず、男が女の身体を舐め回すとまた高まって体位を変えて交わり始める。
「…イルカ。」
興奮に掠れた声で名を呼んだカカシは、テレビから自分に移したイルカの目も欲情している事を確認した。
無言で立ち上がったイルカは、寝室へと向かいながらちらりとカカシを振り返った。カカシも立ち上がり、居間を暗くしてイルカの後を追った。
寝室の大きな窓から、低く半月が見えた。カーテンまで手が回らなかったらしい。
だがそのぼんやりとした明かりが、意外に効果的だった。ベッドの脇でお互いの寝巻きを脱がせ合い、月の光に浮かぶ身体を見れば今すぐにでもイケそうな気がした。
どちらからともなく足を踏み出し抱き合い、ベッドに倒れ込む。真新しい布団の、少し埃っぽい匂いと沈み込む柔かさ。
暫く抱き合ってお互いを見詰めていた。ふ、とカカシが笑って小さな声で愛してると囁き、イルカが顔を寄せて貴方だけと目を瞑ったのが合図だった。
片肘を着いて身体を起こしたカカシが、イルカの顎を掴み唇に齧り付いた。ねぶるように口内を探り舌を絡め、イルカが応えて溢れる唾液を飲み込むと息継ぎに一旦離す。
鼻で息をする事を忘れていたのだ。イルカも同様に肩で息をしていた。
起き上がり身体を跨いで腰骨の両脇に膝を着くと、立ち上がったイルカのものとカカシのものが擦れ合った。
あ、と戸惑うイルカの声に屈み込み胸を合わせながら大丈夫だよと優しく声を掛ける。二人とも裸の胸に相手の体温を感じ、せわしない鼓動に更に興奮していった。
カカシはイルカの首を吸って痕を付けた。そして見せ付けるように舌を伸ばし、ちろちろと胸までを擽る。
辿り着いた乳首を交互に舐めて吸って、逃れようとイルカが僅かに身体を揺らすがカカシは膝を締めて逃さないと呟いた。
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