NARUTO　カカイル二次創作小説　（女イルカあり）

「春ですねえ。」
イルカは校庭のベンチで目を細めて空を見上げる。その膝にはカカシの頭が乗せられていて。
「んー。」
周りからは見えないが、カカシの顔からは口布が取り去られている。目を閉じたままでイルカの頭に手をやり、自分に引き寄せると頬を擦り合わせて、
「動物達も春ですね。」
と笑う。
カカシの腹には二匹の猫が丸くなって寝ている。
白と黒、まるで自分達のようだ。

「春だな。」
アスマの言葉に紅は黙ってうなづいた。
「ほっときましょうよ。」
ベンチにみとめた二人をいいわねえ、と愛おしそうに見遣って肩を寄せ合い、歩き去る。紅の腕には黒と白のぶちの子猫が納まっていて。
にゃあとひと声返事をするように鳴いた。

「春ですって。」
「あいつらはな。」
三つの班の下忍達は、大人って、と思いながら各自解散をして家路についた。彼等にはまだ春が理解できないまま。