「あ、そこそこ。あ、いいよいいよ。」
「はいはい、こんな感じですか。」

「先生達、今俺らの班は任務中だってわかってんだろうがよ。なんで此処で耳かきしてんだってばよ。」
「…バカらしい。いつもの事だ、ほっとけ。」

のどかな昼下がり、田植えの手伝いの任務中。木陰は程よく日光をさえぎり、気持ちいい風が吹く。
カカシはイルカの膝に頭を乗せて耳かきをしてもらっていた。マスクで表情は隠れているが、ピンクのチャクラが周囲に流れ出し…もとい、(美輪さんいわく)ピンクのオーラが彼らを包んでいた。
内緒の仲を知っているのはこの子ども達三人だけだからか、安心しきっているのだ。
「これって、軽く十五禁じゃないの。」
腕組みして冷ややかに二人を見るサクラは、長い溜め息をついた。
耳の穴を覗くイルカは時折カカシの顔に覆い被さり、何事かを囁いているようだ。それに返事をするカカシ、二人の声がやむとイルカの顔は更にカカシの顔に近付く。
しばらくそのままでいたかと思うと、イルカはがばっと顔を上げ大きく息を吸った。頬は赤く染まっている。
「…カカシさんのバカ。」
イルカの唇の動きを読んで、サスケは声に出す。

「なあなあ、オレ腹減ったってばよ。」
「そうね、任務も終わったし、カカシ先生のツケで何か食べに行きましょうか。」
焼き肉だ、と男の子達は断定し歩き出した。
取りあえず言っときましょうよ、とサクラは大人二人に小さな声で断りを入れた。
「先生あたし達帰ります。それから、ごちそうさまでーす。」
勿論聞こえる筈はないが、ちゃんと言ったわよ、後で聞いてないなんて言わせないからねっ、とサクラはナルトとサスケに同意を求めた。
こくりと大きく頷いた二人とサクラは、にやりと何かを企む笑い顔を見せながら浮き浮きと帰路についた。
翌日の任務受付所にはスクープ!と書かれた、耳かきでいちゃつくカカシとイルカのB全大ナマ写真が貼られていたが、子ども達は何も知らないと首を横に振るばかりだった。

「あたし達はただ食事しながら、先生達は仲がいいわねえって話をしてただけよねえ。」
知能犯め、と火影の呼び出しに慌てながらカカシが呟いたのを、皆聞かないふりをしたのだった。
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