それは秘密の、俺だけの。
今日はカカシ先生の誕生日だったりする。本人から聞いたんだけど誰にも言わず、俺だけが知ってるんだと―多分殆ど知る人は居ない筈だ―受付でも顔は緩みっぱなしだった。
「イルカ、お前熱でもあるんじゃないか?」
いやいや別に、これこの通り、元気だぞ。と歯を見せて笑い、無駄に力こぶを作ったりして。
「…なんか変だぞ? そわそわしてるし。」
いやあ、ホントに何でもないって。あ、時間だ。俺上がるぞ。じゃあお先に。

白々しかったかな、でもいいや。お祝いしたいと言ったら今日はカカシさんも早く帰るって約束してくれたし、うんと豪勢な食事の支度をするんだ。
でへへ…。おっと、変な声が出ちまう、平常心だよ帰るまでは。

おう、皆早く帰って宿題やれよ。明日は一人ずつ発表してもらうからな。
えー、という合唱が俺の背中に突き刺さる。へへ、結構快感だよな。教師になったらやってみたかったんだよ、これ。だって俺だって小さい頃は宿題が嫌いで、まあ器用貧乏で苦労はしなかったけど教師に言われる度に権力振りかざすんじゃねえ、なんて思ってたし。
おっと商店街を抜けちまう。買い物してかなきゃ。さて、リストアップした物全部買ったし、急いで作らなきゃな。

「イルカ先生、遅いってば。」
「何やってたんですか、早く鍵開けておうちに入れてくださいよ。」
「カカシもすぐ来るぞ。」
ええっ、お前ら何で此処に…。何で…。
「火影のじっちゃんに聞いた。」

―終わった。
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