九
床の間の時計の針は明け方近い。日の出まで少し眠れば解毒も出来る。
体を拭いてやりたいが、と初めて思った自分に戸惑いながらも怠くて体が動かせず、カカシはイルカを抱き寄せて裸のまま布団にくるまり眠りについた。
ことりと廊下に何かが置かれた音で目覚めた。
障子を引くと湯気の上がる桶と手拭い、簡単な朝食があった。
ただの居酒屋じゃないよね、とカカシは欠伸をしながらそれらを引き入れイルカを振り返る。
窓が無い為に夜と変わらぬ淫靡な灯りの中、イルカは眠り続ける。その内起きるだろうかと絞った温かな手拭いでイルカの体を拭う。首や乳房、背中にも鬱血の赤い色が見えて、我を失っていた自分に項垂れた。
陰毛とその下は丁寧に拭いた。無理をさせて陰唇が腫れている。膣の中もそのままでは流れ出すだろう、掻き出そうと指を入れた。
カカシの大きなモノをあれだけしゃぶって膣道は内出血で浮腫みが酷いが、ほんの少しの罪悪感よりも胸一杯の大きな征服感に、自然と顔がにやける。指を動かしている内にイルカが身動ぎして起きる気配がした。
「あ…何、」
「ん、おはよう。」
顔をしかめてイルカが無理矢理目を開こうとするが、疲労と頭痛に辛そうだ。カカシは額を撫でてやりながらも、指は抜かずに反応を見た。
自分の状況が把握出来ていないのだろう、目の前のカカシに驚いている。
「ね、どういう事だか解る?」
カカシは楽しそうに、イルカの唇を親指でなぞりながら顎の下を撫でた。
ね、子猫ちゃん。
くい、と粘膜を押すと痛みにイルカは腰を揺らした。その指の存在に夜の出来事をたちまち思い出して体中を赤く染め、カカシの視界から隠れようと身を捩る。
その顎を掴むと自分の方へ向け、カカシは膣から指を抜いてイルカの目の前で舐め思い出したよね、と口の端だけを上げて笑った。
「イルカ先生淫乱なんだねえ、なかなかパコパコやめないんだもの。」
そんな、と目が潤み唇が震える。
ごめん、可愛すぎて苛めたくなっちゃった。とカカシは胸にイルカの頭を抱いて、いい子だから泣かないでと宥めた。
香が効きすぎた為に見せた恥態は自分だけのもの。けれどこれから就く任務でまた誰かに見せるかもしれない、と思うだけでカカシは面白くない。
馬鹿な、それは任務なのだから俺が口を挟む事ではない。
房中専門のくのいちを恋人に持つ男は割りきっていたではないか。二人は長く続いている。
カカシはイルカを取り敢えず側に置きたかった。初恋だと言ってはみたが、執着する訳は無いと笑った。
俺が楽しめればいいのだ、と改めて自分に言い聞かせたが、胸に広がるもやもやは消せない。
其れを振り切って捨てるように、カカシは下卑た言葉を吐いた。
「ゆうべはね、色々楽しませてもらったよ。体位も覚えたでしょ。」
まだ四十八手も試したい、と次もある事を匂わせてカカシは朝食の膳を見やった。
「残念だけど食べてる時間は無いね。」
イルカはその視線の先の膳に、改めてひと晩という長い時間を思い知った。
夢うつつではあるが、した事の記憶は残っている。体位を変えて何度も交わった。自分から腰を揺らして誘ったのだと、羞恥に泣きそうだがカカシはきちんと任務としての対応をしてくれた。
ありがとうございました、と頭を下げてイルカは忍びの顔に戻った。服を破かれたが此処に居る訳にはいかないと、常備している薄いシャツだけを身に付けた。乳を覆う物が無い為に尖りが際立つ。カカシは一緒に帰るとイルカの肩を抱き寄せた。
「誰かに見られたら困りませんか。」
顔を背けて女達の心配をするイルカに、それは体だけの関係だと言っても理解出来はしないだろう。イルカもいつか仲間入りして解る事だ、説明はしない。
「あんたの服を破いちゃった責任上、送りますよ。」
廊下の端に直接外への階段があり、その狭い戸口を潜れば隣の家との間の細い私道だった。
朝日を避けるように、カカシはイルカを抱いて木立の上へ跳んだ。一直線に走った先はイルカのアパートだった。
「今夜は無理だろうから、明日か明後日。待ってなさい。」
言い捨ててカカシは消えた。残されたイルカはカカシの言葉を何も把握出来ないまま、部屋に入って台所の椅子に腰掛けた。
嵐のようなひと晩に翻弄されて、それでも私はいつものように朝を迎えた。今日はアカデミーで一日授業だ、行かなくては。
シャワーを浴びに立って、体の内側の痛みに気付く。擦り傷のようなひりつく痛みが、裸になれば鬱血の跡が、お前はカカシに抱かれたのだと教える。
言葉と裏腹に優しい手だった。熱い唇と指に狂わされた幸せな夜だった。これで思い残す事無く任務に就ける。
イルカは少し腰を庇いながら出勤した。流れ出す色気には気付かないまま。
床の間の時計の針は明け方近い。日の出まで少し眠れば解毒も出来る。
体を拭いてやりたいが、と初めて思った自分に戸惑いながらも怠くて体が動かせず、カカシはイルカを抱き寄せて裸のまま布団にくるまり眠りについた。
ことりと廊下に何かが置かれた音で目覚めた。
障子を引くと湯気の上がる桶と手拭い、簡単な朝食があった。
ただの居酒屋じゃないよね、とカカシは欠伸をしながらそれらを引き入れイルカを振り返る。
窓が無い為に夜と変わらぬ淫靡な灯りの中、イルカは眠り続ける。その内起きるだろうかと絞った温かな手拭いでイルカの体を拭う。首や乳房、背中にも鬱血の赤い色が見えて、我を失っていた自分に項垂れた。
陰毛とその下は丁寧に拭いた。無理をさせて陰唇が腫れている。膣の中もそのままでは流れ出すだろう、掻き出そうと指を入れた。
カカシの大きなモノをあれだけしゃぶって膣道は内出血で浮腫みが酷いが、ほんの少しの罪悪感よりも胸一杯の大きな征服感に、自然と顔がにやける。指を動かしている内にイルカが身動ぎして起きる気配がした。
「あ…何、」
「ん、おはよう。」
顔をしかめてイルカが無理矢理目を開こうとするが、疲労と頭痛に辛そうだ。カカシは額を撫でてやりながらも、指は抜かずに反応を見た。
自分の状況が把握出来ていないのだろう、目の前のカカシに驚いている。
「ね、どういう事だか解る?」
カカシは楽しそうに、イルカの唇を親指でなぞりながら顎の下を撫でた。
ね、子猫ちゃん。
くい、と粘膜を押すと痛みにイルカは腰を揺らした。その指の存在に夜の出来事をたちまち思い出して体中を赤く染め、カカシの視界から隠れようと身を捩る。
その顎を掴むと自分の方へ向け、カカシは膣から指を抜いてイルカの目の前で舐め思い出したよね、と口の端だけを上げて笑った。
「イルカ先生淫乱なんだねえ、なかなかパコパコやめないんだもの。」
そんな、と目が潤み唇が震える。
ごめん、可愛すぎて苛めたくなっちゃった。とカカシは胸にイルカの頭を抱いて、いい子だから泣かないでと宥めた。
香が効きすぎた為に見せた恥態は自分だけのもの。けれどこれから就く任務でまた誰かに見せるかもしれない、と思うだけでカカシは面白くない。
馬鹿な、それは任務なのだから俺が口を挟む事ではない。
房中専門のくのいちを恋人に持つ男は割りきっていたではないか。二人は長く続いている。
カカシはイルカを取り敢えず側に置きたかった。初恋だと言ってはみたが、執着する訳は無いと笑った。
俺が楽しめればいいのだ、と改めて自分に言い聞かせたが、胸に広がるもやもやは消せない。
其れを振り切って捨てるように、カカシは下卑た言葉を吐いた。
「ゆうべはね、色々楽しませてもらったよ。体位も覚えたでしょ。」
まだ四十八手も試したい、と次もある事を匂わせてカカシは朝食の膳を見やった。
「残念だけど食べてる時間は無いね。」
イルカはその視線の先の膳に、改めてひと晩という長い時間を思い知った。
夢うつつではあるが、した事の記憶は残っている。体位を変えて何度も交わった。自分から腰を揺らして誘ったのだと、羞恥に泣きそうだがカカシはきちんと任務としての対応をしてくれた。
ありがとうございました、と頭を下げてイルカは忍びの顔に戻った。服を破かれたが此処に居る訳にはいかないと、常備している薄いシャツだけを身に付けた。乳を覆う物が無い為に尖りが際立つ。カカシは一緒に帰るとイルカの肩を抱き寄せた。
「誰かに見られたら困りませんか。」
顔を背けて女達の心配をするイルカに、それは体だけの関係だと言っても理解出来はしないだろう。イルカもいつか仲間入りして解る事だ、説明はしない。
「あんたの服を破いちゃった責任上、送りますよ。」
廊下の端に直接外への階段があり、その狭い戸口を潜れば隣の家との間の細い私道だった。
朝日を避けるように、カカシはイルカを抱いて木立の上へ跳んだ。一直線に走った先はイルカのアパートだった。
「今夜は無理だろうから、明日か明後日。待ってなさい。」
言い捨ててカカシは消えた。残されたイルカはカカシの言葉を何も把握出来ないまま、部屋に入って台所の椅子に腰掛けた。
嵐のようなひと晩に翻弄されて、それでも私はいつものように朝を迎えた。今日はアカデミーで一日授業だ、行かなくては。
シャワーを浴びに立って、体の内側の痛みに気付く。擦り傷のようなひりつく痛みが、裸になれば鬱血の跡が、お前はカカシに抱かれたのだと教える。
言葉と裏腹に優しい手だった。熱い唇と指に狂わされた幸せな夜だった。これで思い残す事無く任務に就ける。
イルカは少し腰を庇いながら出勤した。流れ出す色気には気付かないまま。
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