十
朝の職員室でふと思い出す、カカシの熱い手。世界がふわふわと実感が無い戸惑い、イルカの視線は心此処に在らずとさ迷う。
「イルカ先生、跡が見えてるわよ。」
以前からイルカを気に掛けてくれている先輩教師のサユリが、こっそり化粧品のチューブを差し出した。首や捲った腕に見える鬱血を隠せというのだ。
気を付けていたのに。イルカは動揺して顔を伏せた。教室に行く前で良かった、とホッとしながらサユリに頭を下げた。
心構えが出来たようね、と心配されていた事に頷くと、合間に幻術の練習をしましょうと誘われた。
夏休み迄一週間、郭に派遣されるのは更に二週間後だった。其れだけあれば駆け引きも教えられる、と言うサユリは最高学年の女子クラス担任だ。
「まあ其れまでに好い人とたっぷりお勉強しておいてね。」
とくすりと笑われて、イルカは好い人なんかじゃありません、と眉を寄せた。
「あらそう?」
とサユリはそれ以上聞かずに側を離れた。かなり優しい人みたいなんだけどねえ、と呟きながら。
変わり無く過ぎる時間。週末まで受付に入らないから、カカシに会わずに済むのは助かる。心の整理をつける為にはどれだけ掛かるだろう。
夏休み前の浮かれた子ども達に振り回されながら二日たち、イルカはその間にカカシの事は心にしまい掛けていた。
早目に帰宅出来、自宅で夏休みの予定を確認している内に居眠りをしたらしい。イルカは玄関を叩く音に、半分覚醒しないままドアを開けた。
突然口を押さえられ、体をきつく捕縛されて目が覚めた。イルカは無意識に隠し武器を取り出す為に手を動かしたが、両手首を相手の片手に掴まれ頭上に掲げられてしまった。
体の大きな男だ、膝でも入れられたら即死だろう。と諦めてその瞬間を待ったが両手の拘束は簡単に解け、だがイルカが両腕を上げている一瞬に、上半身は部屋着のTシャツを抜かれて裸になった。
声を出す間もなく気が付けば畳に転がされている。顔は蛍光灯の影になっているが、その光る髪でカカシだと瞬時に読み取れた。
「言った通りに待っててくれたんだねえ。オレも待ち遠しかったよ。」
イルカを片手で抱き込み、空いた手で下履きを下着ごと抜いて放る。一連の流れに掛かったほんの僅かな時間にイルカが認識出来たのは、カカシがまた抱いてくれるのだという事。
綺麗に笑ったカカシの顔に気を取られている内に、指を膣に入れて掻き回されていた。にち、と指を出し入れする其処から聞こえた音が、イルカの胸を高鳴らせる。
どんな理由であれ好きな人にまた抱かれるなんて。
二度と無いと思っていたのに。
指で膣の腫れも大分治まった事を確認し、カカシはイルカの体をまさぐり始めた。今日はただ快楽を追う為だけに。
「畳じゃ痛いよね。移動しようか。」
ここまでしておいて何を言うか、と喘ぎながらイルカは襖の奥を指差した。勢いよく開けた先には、安アパートには不似合いのセミダブルのベッドがあった。
「一人暮らしでしょ、何で大きいの使うの。」
どさりとイルカを落としてその上に跨がったカカシは疑問を口にした。
「以前はナルトがよく来て一緒に寝ていたんです。」
あー、其れじゃ男も作れなかったよねえ。と薄ら笑いで噛み付くようにイルカの唇を塞いだ。
ゆっくり舌で上顎の裏を撫で上げられてじわりと快感が押し寄せ、カカシの肩を掴む手に力が入った。股がる姿勢で口付けられていては、カカシのモノが腹に当たる。既に大きく膨らんで、先から出る汁が皮膚を濡らしているのがイルカには少し怖かった。
香で酔っていた時は何をしても、媚薬のせいだと言い訳のように思っていられた。素面ではどうすればいいのか判らない。
カカシにもイルカのその戸惑いが見え可愛いね、と呟くと言う通りにすればいいのだと笑った。
いい玩具だと思いながらイルカの心と体を蹂躙していく。最早囚われた目をするイルカに、馬鹿な女だと憐憫の情を掛ける気は無い。
だがカカシがイルカに執着した時点で、アスマはカカシの変化に気付いていた。イルカが傷付くのは辛いが、きっと何らかの収穫はある筈だと。
守るだけではイルカは成長しないから、と見守る事にした。もしもカカシが変わらなければそれ相応の報復をし、里の宝と言われようが行動全てが許容範囲では無いのだと知らしめるつもりでいた。
だが干渉はしたく無いと敢えて里を離れた。帰還する迄に変わっていればいい、とアスマは二週間と言いながら二ヶ月は帰れない遥か遠くへ。
カカシは隅に押しやった気持ちに戸惑う。今迄の女達への情の無い行為と、イルカに与える優しさの違い。
ずっと昔に少し心を傾けた女はいたがカカシの名前に惹かれただけで結局裏切られ、今やカカシの名前に釣られる全ての女に復讐をしているようなものだ。
朝の職員室でふと思い出す、カカシの熱い手。世界がふわふわと実感が無い戸惑い、イルカの視線は心此処に在らずとさ迷う。
「イルカ先生、跡が見えてるわよ。」
以前からイルカを気に掛けてくれている先輩教師のサユリが、こっそり化粧品のチューブを差し出した。首や捲った腕に見える鬱血を隠せというのだ。
気を付けていたのに。イルカは動揺して顔を伏せた。教室に行く前で良かった、とホッとしながらサユリに頭を下げた。
心構えが出来たようね、と心配されていた事に頷くと、合間に幻術の練習をしましょうと誘われた。
夏休み迄一週間、郭に派遣されるのは更に二週間後だった。其れだけあれば駆け引きも教えられる、と言うサユリは最高学年の女子クラス担任だ。
「まあ其れまでに好い人とたっぷりお勉強しておいてね。」
とくすりと笑われて、イルカは好い人なんかじゃありません、と眉を寄せた。
「あらそう?」
とサユリはそれ以上聞かずに側を離れた。かなり優しい人みたいなんだけどねえ、と呟きながら。
変わり無く過ぎる時間。週末まで受付に入らないから、カカシに会わずに済むのは助かる。心の整理をつける為にはどれだけ掛かるだろう。
夏休み前の浮かれた子ども達に振り回されながら二日たち、イルカはその間にカカシの事は心にしまい掛けていた。
早目に帰宅出来、自宅で夏休みの予定を確認している内に居眠りをしたらしい。イルカは玄関を叩く音に、半分覚醒しないままドアを開けた。
突然口を押さえられ、体をきつく捕縛されて目が覚めた。イルカは無意識に隠し武器を取り出す為に手を動かしたが、両手首を相手の片手に掴まれ頭上に掲げられてしまった。
体の大きな男だ、膝でも入れられたら即死だろう。と諦めてその瞬間を待ったが両手の拘束は簡単に解け、だがイルカが両腕を上げている一瞬に、上半身は部屋着のTシャツを抜かれて裸になった。
声を出す間もなく気が付けば畳に転がされている。顔は蛍光灯の影になっているが、その光る髪でカカシだと瞬時に読み取れた。
「言った通りに待っててくれたんだねえ。オレも待ち遠しかったよ。」
イルカを片手で抱き込み、空いた手で下履きを下着ごと抜いて放る。一連の流れに掛かったほんの僅かな時間にイルカが認識出来たのは、カカシがまた抱いてくれるのだという事。
綺麗に笑ったカカシの顔に気を取られている内に、指を膣に入れて掻き回されていた。にち、と指を出し入れする其処から聞こえた音が、イルカの胸を高鳴らせる。
どんな理由であれ好きな人にまた抱かれるなんて。
二度と無いと思っていたのに。
指で膣の腫れも大分治まった事を確認し、カカシはイルカの体をまさぐり始めた。今日はただ快楽を追う為だけに。
「畳じゃ痛いよね。移動しようか。」
ここまでしておいて何を言うか、と喘ぎながらイルカは襖の奥を指差した。勢いよく開けた先には、安アパートには不似合いのセミダブルのベッドがあった。
「一人暮らしでしょ、何で大きいの使うの。」
どさりとイルカを落としてその上に跨がったカカシは疑問を口にした。
「以前はナルトがよく来て一緒に寝ていたんです。」
あー、其れじゃ男も作れなかったよねえ。と薄ら笑いで噛み付くようにイルカの唇を塞いだ。
ゆっくり舌で上顎の裏を撫で上げられてじわりと快感が押し寄せ、カカシの肩を掴む手に力が入った。股がる姿勢で口付けられていては、カカシのモノが腹に当たる。既に大きく膨らんで、先から出る汁が皮膚を濡らしているのがイルカには少し怖かった。
香で酔っていた時は何をしても、媚薬のせいだと言い訳のように思っていられた。素面ではどうすればいいのか判らない。
カカシにもイルカのその戸惑いが見え可愛いね、と呟くと言う通りにすればいいのだと笑った。
いい玩具だと思いながらイルカの心と体を蹂躙していく。最早囚われた目をするイルカに、馬鹿な女だと憐憫の情を掛ける気は無い。
だがカカシがイルカに執着した時点で、アスマはカカシの変化に気付いていた。イルカが傷付くのは辛いが、きっと何らかの収穫はある筈だと。
守るだけではイルカは成長しないから、と見守る事にした。もしもカカシが変わらなければそれ相応の報復をし、里の宝と言われようが行動全てが許容範囲では無いのだと知らしめるつもりでいた。
だが干渉はしたく無いと敢えて里を離れた。帰還する迄に変わっていればいい、とアスマは二週間と言いながら二ヶ月は帰れない遥か遠くへ。
カカシは隅に押しやった気持ちに戸惑う。今迄の女達への情の無い行為と、イルカに与える優しさの違い。
ずっと昔に少し心を傾けた女はいたがカカシの名前に惹かれただけで結局裏切られ、今やカカシの名前に釣られる全ての女に復讐をしているようなものだ。
スポンサードリンク