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あれ程カカシに付いて回っていた派手な噂はただの噂でしかない、何故なら女を抱いた事がないから。と自覚のない初恋の告白にイルカは笑みを満開にして項垂れているカカシに抱き付いた。
「嬉しい…。」
だが抱き返す事を躊躇ったカカシの腕は宙をさ迷い、やがて身体の脇に下ろされた。ゆっくり身体を離しその手をそっと包み込むイルカの表情を、カカシは眉をしかめて怖々と伺う。
「馬鹿にしないの?」
「まさか。そんな大事な場面に私を選んでくださった事の方に驚いてます。」
この年まで夢を見ていたカカシを非難する訳でなく、信じられない嬉しいとイルカは言う。だが物言いがどこか引っ掛かる。大きく息を吐いて口を開いたイルカの、その顔からも何かを感じた。
「もしお嫌でなければ…、私に任せていただけませんか。」
「え、任せる…って。」
まさかあんな告白の後でも続けようと言われるとは思わなかった。カカシは思わぬ展開に驚きを隠せないが、後に続く言葉に更に驚いた。
「いえ、練習のようなものですから肩の力を抜いていただければ。」
「練習…って、どういう事…?」
何を言う、愛し合うから身体を繋げるのではないのか、オレを愛してくれているのではないのか。
頭が真っ白になったカカシは思わずイルカの両手首を掴んで押し倒した。痛みに僅かに歪む顔が怯えているが、イルカは自分の言葉がカカシの心を逆撫でしたとは思っていない。
イルカの真意を確かめる為にカカシは重ねて尋ねた。
「ねえ、どういう事?」
真っ直ぐな視線と言葉に責められ、イルカは泣きそうな心を押さえ付ける。
「いつかカカシさんが、私以上の誰かに巡り合った時の為に。」
きっと貴方は私に飽きて去ってしまう。今は熱病のようなものだから、貴方に相応しいひとが見付かるまでひと時の夢を。
カカシの中で一瞬時が止まり、何かがはぜた。
ふざけるな、あんただけ、あんたしか見えないんだ―と掠れた声がイルカに届いたのかは知らないが、凪いだ海のように冷静なイルカにカカシの心は逆に荒れ狂い、それ以上を言わせない為にイルカの唇に噛み付いた。大きな手でおとがいを掴むと痛みにイルカの口が開く。その隙間に舌を差し込みぐりぐりと中を探れば、大人しかったイルカの舌が答え始めた。
息も継がせず角度を変えながらただ貪る内に興奮に育った陰茎が、肌に沿う下着の中で張り詰めすぎて痛い。イルカに乗り上げたまま素早く下着を脱ぎ捨てると、勢いよく立ち上がったそれが震えイルカの腹を擦った。
臍の辺りに感じる先走りの滑りと刀身の質量にイルカは身体を強張らせる。
過去の男達と比べようにも記憶にない程時はすぎてしまったが、カカシのそれは多分見た事のない大きさだ。
イルカがそちらに気を取られている間に、カカシはイルカの小さな下着を下ろそうとして上手くいかずに引き千切ってしまった。
ちっ、と吐き捨てる刺々しい舌打ちをしカカシは乱暴に先を進め始めた。
膣を解して潤さなければどちらも辛いとだけは知っている。やり方も加減も解らないが、腕を掴まれ拒否されようと止める気はなかった。
カカシはぐりぐりと狭い膣道に人差し指を回し入れる。一気に指の根元まで突き入れるとイルカが嫌と小さく声を上げた。カカシは治まらない怒りにその声を無視して指先を動かす。
こんなカカシさんは知らない、怖い。私、何をしてしまったの。
きつく目を閉じ顔を両腕で覆い、カカシの冷たい視線から逃れる。止まらぬ乱暴な指使いによる痛みの中に、徐々に沸き出すのは久しく忘れていた快感だった。抜き差しの方がもっといいのに―イルカは我慢できずに腰を揺らし、吐く息は喘ぎ声に変わっていった。
「…もっと、指を増やして、回して、」
切れ切れに話すイルカに従い、カカシが中指も入れて狭い膣道を掻き回すと溢れる液体がぐちぐちと音をたてた。
なかなかカカシの怒りは治まらない。くそ、くそ、と何度か突き立て指を引くと入り口手前でイルカが高く悲鳴を上げて無意識に腰を浮かせた。
「あん、そこぉ。」
長らく使われなかった秘部は狭く、力を籠めなくともカカシの節くれだった指を締め付けていた。襞を擦られうずきが身体中を支配し始めたイルカは、自ら膝裏に手を入れ脚を広げて身体に引き寄せカカシにねだる。
「もっと、此処も弄って。」
指を入れたまま、カカシは晒された割れ目を見詰めた。
隣の居間は明かりを点けたままだが、襖の間からはこちらの部屋の隅にほんのりと届くだけ。
淫靡な雰囲気とイルカから漂う匂いがカカシの胸の奥底を刺激した。
「言ってごらん、何処?」
口に出すのは恥ずかしいと恐る恐る手を股間に伸ばしたイルカの手首を掴んだカカシは、触って教えろと熟れた花の中心にその指を突き刺した。
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