断罪

誰か、オレの罪を暴いて白日の元に曝してくれないか。

満月の晩に寝ているイルカを襲った。犯した。凌辱した。
次の晩も、その次の晩も、何故か毎日夜は任務も用事も入らなかったから。
オレは狂ったように毎日イルカを、犯した。いや最初から狂っていたんだろう、オレにはイルカしか見えていなかった。
今日は新月。
イルカの寝顔が見えない。オレの訪問に怯える顔が見えない。
その方がいい、オレの酷い顔は見せたくない。欲にまみれた、血にまみれたオレは。
だが暗闇が忍びには暗闇ではないから、目を凝らせば今日もオレに見せるイルカの苦しげな目が胸に痛い。
オレもイルカもお互いが見えないように、真の闇があればいいのに。
駄目だ、真の闇は這い上がれない穴の底だ。イルカを落とすわけにいかない。
…ふ、今更か。オレが手を引いて引きずり込んだというのに。
そうして今日も、イルカの小さな悲鳴がオレを糾弾する。

昼間の陽の下でも、イルカの周りに黒い煙のようなものが見えるようになった。…オレだけらしいが。
毎日毎日、それは濃くなってくる。イルカは深く暗い穴の底に落ちたように、瞳の光も無くなってくる。
オレが、汚した。黒く染めた。
オレは?
オレはもっと汚くなっているんだろう?
なあ、誰か。
イルカが死んでしまう前に、オレからイルカを取り上げてくれ。
オレを殺して、イルカを光の中へ戻してやってくれ。
きっとそれが、イルカの望みだ。
…ああでも、殺されるならイルカの手に掛かりたい。

最後にイルカを抱いて眠る事を許して。
憎いオレを、そのまま殺していいから。
ねえイルカ、目覚めないお休みを言わせて。





断首

これは、強姦。
毎夜繰り返し尻の穴を犯されて、慣れてはきたが痛いものは痛い。違う、快感を拾わないように感覚を操作しているんだ。
満月の晩から毎晩…、今日はもう新月だ。
カカシさんのすまなそうな目が俺を見る。あんたが悪いんじゃない、いややってる事は犯罪だがね。
あんたが俺を見る目の中に、酔って俺に触れる体温に、気付いたから。全身を駆け回る喜びでイケる位に、あんたの気持ちが解った。
だから俺は、罠を張って覚悟の上で襲われた。
毎晩任務も入れないように、カカシさんに掛かるくだらない酒や食事の誘いも俺が握り潰して。
カカシさんに骨の髄までしゃぶりつくして欲しかったんだ。いつ飽きられるか解らないから、薬でも術でも何でも使って繋ぎ止めた。

副作用ってのか、身体の調子は悪くなったが気持ちは高揚しっぱなしだ。
楽しい、嬉しい。
でも。カカシさんのつらそうな顔が、日を追って狂気を纏い始めた。俺は狂喜。はは、里の宝がもう使いもんになりゃしねえ。
俺は、捕まって…捕まってどうなるんだろうか。
俺を犯しながら、時折正気に戻るようにカカシさんの顔が歪む。俺がやってる事がばれたのかもしれない。

今日初めて、カカシさんが情交後も帰らない。
俺を抱き込み眠り始めた。
最後か、正気に戻ったカカシさんはもう二度と来ないのか。
じゃあ、と俺は寝顔にそっと話し掛けた。
俺が寝ている間に、首を跳ねて持っていくがいい。
罪状は、そうだな男と交わり里に害なす男。
カカシさん、ずっとあんたの夢を見たまま死ねるなら。
永遠に、お休みなさい。
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