イルカは冬になるとくくった髪をおろし、耳や首筋を覆い隠す。カカシはその姿がなまめかしくて目の毒だからやめてくれ、と何度も言うのだがイルカはその度に寒いんです、と普段の熱血漢の様子からは窺えない、体温の低い指先をカカシの服の下に突っ込み暖をとるのだった。
ひえぇ、と冷たさに悶えても離してもらえない。上忍に負けないこの腕力は何なんだ、とカカシは毎回チャクラを使い果たして半日動けなくなるのだった。

イルカが無精髭を生やして出勤してきた。髪もおろしたままなので、まるで落武者だ。
「だって寒いんです。髭を生やしたら暖かいと思って。アスマさんみたいに全身毛で覆われていたら違うんでしょうかね。」
それは言われるアスマがかわいそうだけど。

そんな事はさせるもんかと、カカシは純毛の着ぐるみをイルカに買ってやったという。勿論頭もすっぽり被る、とても可愛いピンクのうさぎちゃんを。

暫くの間、イルカ個人に遊園地のショーの任務依頼が続いたらしい。
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