一月一日、イルカ先生と偶然会って初詣に誘われた。二人とも御神籤は凶。御神籤ごときで本気でしょげる面白い人。
一月五日、任務の土産を受付に持っていく。豊作で出荷しきれなかった蜜柑が八箱、イルカ先生は二箱を台車で持ち帰った。なんか気になる人。
二月三日、アカデミーでイルカ先生は節分の鬼の役。たまたま校庭で生徒に追い掛けられているのを見たら、気が付いて手を振ってくれた。嬉しかった。
二月二十一日、豪雪でイルカ先生のアパートの屋根が潰れ、アカデミーの仮眠室に避難したらしい。住民が皆忍びとはいえ無事で良かった。
二月二十二日、暫くイルカ先生をオレのうちの空き部屋に泊める事にした。無理矢理連れてきたのは身体を壊すんじゃないかと思って、だ。それだけだ。
三月五日、イルカ先生のアパートは取り壊しが決まった。オレは留守にする事が多いので留守番してと言ったら喜んでくれた。だけど利害の一致ですねって、イルカ先生はなんかモヤモヤする言い方だ。
四月一日、アカデミーの入学式。イルカ先生はまた今年も張りきっていた。目が腫れてたけど知らんふりしてたらありがとうだって。
四月三十日、イルカ先生がアパートを見付けたからうちを出ると言う。オレはよかったねって、笑えてたかな。
五月一日、イルカ先生は出ていった。オレはわざと明け方からの任務に出た。
五月二十六日、イルカ先生の誕生日。オレは里にいないから、届きますようにと一人で星空に祝う。
九月十五日、オレの誕生日。里を出て半年。自来也様とナルトの様子を増援の奴から又聞きした。元気ならいい。イルカ先生も元気でいるかな。
十月十一日、真夜中。慰霊祭には間に合わなかったが、慰霊碑に手を合わせてやっと帰った気がした。
十月十二日、明け方うちに帰るとイルカ先生がいた。時々掃除してくれてたって、ずっと何ヶ月もイルカ先生の事を考えていたから思わず抱き着いてしまった。ありがとう、本当にありがとう。
十一月二十日、イルカ先生が校庭で泣いてた。ナルトから手紙が来たと綱手様が言ってたからそれか。見ていたオレに気付くと泣きながら駆け寄ってきた。
十二月二十四日、クリスマスイブという何かのお祝いの前夜。イルカ先生からの誘いで二人きり、徹夜で飲み明かした。
十二月三十一日、イルカ先生が年越しに誘ってくれたので、うちに呼んで夜明かしした。イルカ先生が一人は嫌だと泣いたのは、酒のせいか解らない。
一月一日、今年も二人で初詣に出掛ける。御神籤は二人とも大吉。イルカ先生は縁談良好家移り吉。オレは探しもの現れる。
イルカ先生は今日も泊まってくれるそうだ。


それから毎日イルカ先生は行ってきますと出ていって、ただいまとオレのうちに上がり込む。
一年たってどういうつもりかと聞いてみたら、出ていけと言われないからって。だって言いたくなかったから、イルカ先生と一緒にいたかったから。
イルカ先生はめんどくさいって、とっくの昔にアパートの解約してオレんちに住所変更したんだと。どうやらずっと居てくれるらしい。
そして初めてオレ達は自分の気持ちに気付いたって、里中の笑い者さ。
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