ただいま、とカカシが入って来るなり服を脱ぎ散らかして腰に手を当て、イルカの前で仁王立ちになった。
「見て見て先生、これどう?」
「あー…、芸術的ではありますね。」
誉めればつけあがり昼から盛ってイルカが仕事にならない、かといってけなせばめそめそ泣いてカカシが仕事に行かないし、匙加減は非常に難しいのだ。
「うん、苦労したもんねえ。」
「彫ったんですか?」
「流石にそれは痛いからやらないよ。植物の粉を染料にしたものなんだって。舐めても安全だし、洗っても一週間は落ちないらしいよ。」
「だからって、何も此処に書くことはないでしょう。」
「だってイルカはオレの浮気が心配なんでしょ。」
もてる自覚がない分、浮気の線引きが曖昧な男だ。イルカがキスからは浮気だと言ったら嘘だろと驚いたので、本気を示して火影邸へ家出をしたものだ。
「でも落ちるなら…。」
「だから、薄くなったら先生が書いてくれればいいじゃない。」
文字の書かれたそれをそっと撫で、イルカは苦笑いして肩をすくませた。
「…これを突っ込まれるオレは切ないなぁ。」
「愛の証だから、たっぷり感じてね。」
「んー次からはオレの達筆が此処を飾るから、まあいいかな。」
「『うみのイルカ専用はたけカカシ』、いいでしょ。」

仁王立ちのカカシの股間にぶら下がるそれに書かれた文字を読み上げて、カカシはぶらぶらと揺らして喜んでいた。

書き直す度に筆で柔らかく撫でられて怒張し、乾く間もなく突っ込まれたイルカは三回目で学習した。
カカシの息子にはイルカ以外に触られると雷が発生する呪印が施され、イルカは陰で大蛇丸の弟子だと噂されたらしい。
酒の誘いが減ったと嘆くイルカだが、カカシも酔った振りしてイルカの上に乗っかろうとする奴らを心配していたのだから寧ろ喜んだのだ。

調子に乗ってイルカの尻に『つかうな』と平仮名で書いたカカシは、教職員の健康診断で笑われたとイルカに拳骨を落とされ、恥ずかしいから『さわるな』にして漢字で書けと怒られた。
手で触らなくても突っ込む事はやれば出来ると実践したカカシはまたも殴られ、『はたけカカシ専用うみのイルカ』と書いてお揃いだ、と満足した。
そして書いている最中にくすぐったいとお尻をもぞもぞ振り振りさせるイルカに、カカシが欲情したのは当然の事なのだった。

そんな話をシズネから聞いて平和だな、と綱手が笑顔で湯飲みを握り潰したのは内緒にしておこう。
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