春はそこまで来てるみたいだ、と独り言が口を出た。ら、どこ、と小さいクラスの男の子が辺りを見渡した。
馬鹿ね、と側にいた女の子は笑ってその子の手を引いて歩き出した。
春は自分から寄って来ないのよ。見つけて欲しくて隠れてるんだから、探しに行かなくちゃ。ね、イルカ先生。
あ、でも先生の春は後ろまで来てるわよ。

振り向けば背を丸めたカカシが、大きな花束を抱え近付いて来る。

ふう、そういやあの子は大きなお姉ちゃんが三人いる、学年一のおませさんだったな。

明日のアカデミーは朝から大変なことになりそうだと思いつつ、微笑みを浮かべたイルカは近付くカカシを待っていた。
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