うつつ
「嫌っ、避妊してないっ、」
顔を強張らせ暴れ出したイルカの肩を軽々とベッドに押さえ付け、カカシは無言で腰を動かし続けた。次第に前屈みになりイルカの耳朶、喉、首の付け根と順に噛んでいく。
獣の雄は性交の最中に雌を服従させる為に喉元などの急所を噛む事がある。正に今のカカシがそうだろう。
最後に痕が付く程鎖骨を噛まれ痛みで我に返ったイルカは、唇を引き結び泣きそうな顔でカカシを睨み付ける。その目を見詰め返しながら骨盤を掴んで固定し注挿に集中するが、しきれないカカシにもやもやと燻る火種はきっと二人の間の齟齬のせいだろう。
「何で解らないかな。」
呟きは続く溜め息に消された。子孫繁栄の為に種付けをする行為はカカシなりの最大の愛情表現なのに、イルカには伝わっていない。どうしたら解ってもらえる。
ほどなくカカシの動きは分身をイルカの奥深くに突き刺して止まり、ぶるっと身体を震わせた事で中で射精したのだとイルカも解った。下腹は上り詰められずに疼いたままだがそれどころではない。
「…カカシさん、私避妊してないって言いましたよね…。」
「そう? どうせ結婚するんだからいいんじゃないの。」
カカシが優しい笑みで放つ言葉にイルカは絶句した。
「貴女に片想い歴何年だと思ってるの。その間誰一人として他の女が目に入らなかったオレだよ、裸で乗り上げられたってそんな気にならなかったんだからね。」
其処まで想っていた、とカカシは繋がったままイルカの身体を起こし腿に跨がらせる。
「さあ、今度はイルカが気持ちよくなる番ね。」
自分で動いて何処がいいのか教えて欲しい。
唇を噛み俯いたイルカは全身を朱に染めて馬鹿、と呟きカカシの胸を押して後ろに倒すと騎上位の体勢で腰を動かし始めた。
中で柔らかくなったカカシのものはそれでもぴったりと襞を擦る程大きいというのに、イルカの動きに従いまた育ち始めてぐいぐいと襞を圧迫していった。
まだ少し残る痛みは徐々に快感に掏り替わり、イルカの膣壁からはじわじわと愛液が滲んできた。やがてくちゅという音が濁音に変わりお互いの陰毛の根元から肌を塗らす程滴る。
「此処ぉ…。」
少し腰を引き入り口から浅い位置をカリが擦るように動き続けていたが、とうとう押し寄せる波がイルカを満たした瞬間にカカシを置いて頂上へと上り詰めてしまった。収縮により根元からぎゅうと搾り取られる感覚に打ち勝てず、カカシもまた続けて精を放った。
突き抜ける快感の余韻にイルカはカカシの腹に置いた腕をぐっと突っ張り仰け反ると、叫びとも溜め息ともつかない掠れた甘い声を吐いて崩れるようにカカシの胸に倒れ込んだ。
熱くしっとりと汗の浮かぶイルカの背を壊れ物のごとく大事に、いとおしいとカカシは何度も撫でる。陰茎は二度の射精にも拘わらず元気で、イルカから抜けずに自分でも驚いていた。
ふと襖の間から正面に見える居間の掛け時計に目をやったカカシは一人頷いて薄く笑った。漸く日を跨いだ時刻だ、まだ夜は長い。
「うん…何となく解った。先生、おさらいさせてください。」
イルカの息が整うのを待ってそんな事をさらりと言うカカシにもう童貞の迷いはない。さあとイルカを抱き締め勢いよく起き上がり、今日は正常位を完璧に仕上げると腕の中のイルカに宣言した。
その笑顔に自分がリードする筈だったのに此処まで殆どカカシに翻弄されていた、とイルカは気付いた。
本当に未経験なのか、カカシは童貞のふりをして遊んでいたのではないか。考え出すとぎこちなさも演技にしか思えなくなり、此れも慣れた男の詐偽の手口のような気がしてイルカの胸はぎゅうと苦しくなった。
だが浮かれてその様子に気付かぬまま、カカシはイルカを抱いて起き上がった。ベッドの端からほぼ滑り落ちていた掛け布団を蹴落とし、イルカの脚の間に割り入って身体を大の字に押さえ付ける。
「女の人ってこんなに柔らかくて綺麗なんだ。」
うっとりと目を細め乳房に頬擦りするが、イルカは全く反応しない。おやと顔を見れば涙が溢れている。
「どうしたの、よくなかったの、ねえ泣かないで。」
おろおろと乱れた髪を撫で付け涙を拭いながら機嫌を取るがイルカは静かに泣いている。
「私なんか、」
すぐ飽きる、としゃくりの合間に聞こえた。
「まだ言う、何故オレを信じてくれないの。」
「だって、綺麗で床上手な人がカカシさんの周りに沢山いるんだもの。」
任務の受付をしていれば色々と知る。イルカを馬鹿にする女達の私事など勝手に耳に入る。
「だからオレがイルカを捨てるって?」
確かに落とせない男はカカシだけだから余計に躍起になっている、と笑い話に聞いた。
「だってさ、起たないものは起たないんだから。」
「でも、」
「黙れ。」
「嫌っ、避妊してないっ、」
顔を強張らせ暴れ出したイルカの肩を軽々とベッドに押さえ付け、カカシは無言で腰を動かし続けた。次第に前屈みになりイルカの耳朶、喉、首の付け根と順に噛んでいく。
獣の雄は性交の最中に雌を服従させる為に喉元などの急所を噛む事がある。正に今のカカシがそうだろう。
最後に痕が付く程鎖骨を噛まれ痛みで我に返ったイルカは、唇を引き結び泣きそうな顔でカカシを睨み付ける。その目を見詰め返しながら骨盤を掴んで固定し注挿に集中するが、しきれないカカシにもやもやと燻る火種はきっと二人の間の齟齬のせいだろう。
「何で解らないかな。」
呟きは続く溜め息に消された。子孫繁栄の為に種付けをする行為はカカシなりの最大の愛情表現なのに、イルカには伝わっていない。どうしたら解ってもらえる。
ほどなくカカシの動きは分身をイルカの奥深くに突き刺して止まり、ぶるっと身体を震わせた事で中で射精したのだとイルカも解った。下腹は上り詰められずに疼いたままだがそれどころではない。
「…カカシさん、私避妊してないって言いましたよね…。」
「そう? どうせ結婚するんだからいいんじゃないの。」
カカシが優しい笑みで放つ言葉にイルカは絶句した。
「貴女に片想い歴何年だと思ってるの。その間誰一人として他の女が目に入らなかったオレだよ、裸で乗り上げられたってそんな気にならなかったんだからね。」
其処まで想っていた、とカカシは繋がったままイルカの身体を起こし腿に跨がらせる。
「さあ、今度はイルカが気持ちよくなる番ね。」
自分で動いて何処がいいのか教えて欲しい。
唇を噛み俯いたイルカは全身を朱に染めて馬鹿、と呟きカカシの胸を押して後ろに倒すと騎上位の体勢で腰を動かし始めた。
中で柔らかくなったカカシのものはそれでもぴったりと襞を擦る程大きいというのに、イルカの動きに従いまた育ち始めてぐいぐいと襞を圧迫していった。
まだ少し残る痛みは徐々に快感に掏り替わり、イルカの膣壁からはじわじわと愛液が滲んできた。やがてくちゅという音が濁音に変わりお互いの陰毛の根元から肌を塗らす程滴る。
「此処ぉ…。」
少し腰を引き入り口から浅い位置をカリが擦るように動き続けていたが、とうとう押し寄せる波がイルカを満たした瞬間にカカシを置いて頂上へと上り詰めてしまった。収縮により根元からぎゅうと搾り取られる感覚に打ち勝てず、カカシもまた続けて精を放った。
突き抜ける快感の余韻にイルカはカカシの腹に置いた腕をぐっと突っ張り仰け反ると、叫びとも溜め息ともつかない掠れた甘い声を吐いて崩れるようにカカシの胸に倒れ込んだ。
熱くしっとりと汗の浮かぶイルカの背を壊れ物のごとく大事に、いとおしいとカカシは何度も撫でる。陰茎は二度の射精にも拘わらず元気で、イルカから抜けずに自分でも驚いていた。
ふと襖の間から正面に見える居間の掛け時計に目をやったカカシは一人頷いて薄く笑った。漸く日を跨いだ時刻だ、まだ夜は長い。
「うん…何となく解った。先生、おさらいさせてください。」
イルカの息が整うのを待ってそんな事をさらりと言うカカシにもう童貞の迷いはない。さあとイルカを抱き締め勢いよく起き上がり、今日は正常位を完璧に仕上げると腕の中のイルカに宣言した。
その笑顔に自分がリードする筈だったのに此処まで殆どカカシに翻弄されていた、とイルカは気付いた。
本当に未経験なのか、カカシは童貞のふりをして遊んでいたのではないか。考え出すとぎこちなさも演技にしか思えなくなり、此れも慣れた男の詐偽の手口のような気がしてイルカの胸はぎゅうと苦しくなった。
だが浮かれてその様子に気付かぬまま、カカシはイルカを抱いて起き上がった。ベッドの端からほぼ滑り落ちていた掛け布団を蹴落とし、イルカの脚の間に割り入って身体を大の字に押さえ付ける。
「女の人ってこんなに柔らかくて綺麗なんだ。」
うっとりと目を細め乳房に頬擦りするが、イルカは全く反応しない。おやと顔を見れば涙が溢れている。
「どうしたの、よくなかったの、ねえ泣かないで。」
おろおろと乱れた髪を撫で付け涙を拭いながら機嫌を取るがイルカは静かに泣いている。
「私なんか、」
すぐ飽きる、としゃくりの合間に聞こえた。
「まだ言う、何故オレを信じてくれないの。」
「だって、綺麗で床上手な人がカカシさんの周りに沢山いるんだもの。」
任務の受付をしていれば色々と知る。イルカを馬鹿にする女達の私事など勝手に耳に入る。
「だからオレがイルカを捨てるって?」
確かに落とせない男はカカシだけだから余計に躍起になっている、と笑い話に聞いた。
「だってさ、起たないものは起たないんだから。」
「でも、」
「黙れ。」
スポンサードリンク