好きだと自覚してからが、長かった。いや、まだ好きなんだから過去形にしてはいけない。長い、四年目になるか。
片想い。何となく近付けたと思ったのにまた離れて、今はもう相手の気持ちは全く解らない。

たまたま入った職場にいた。職種と部門は違うが、チームを組まなければ仕事にならないからほぼ毎日顔を合わせた。
あっという間に好きになった。その人そのものが好きだから、趣味も嗜好も知らなくてよかった。とにかく毎日会えて話せて、いや姿を確認できるだけで良かったのだ。
次第に好意を持ってくれていると解ってきたが、お互いの立場があるからだろうか、ちょっと特別な仕事仲間、の範囲から抜け出せず踏み出してはくれず。つかず離れず何となく、どういう仲なのか周囲に聞かれても別にと答えるしかない程度。ただの知り合い。なのに。
二年たって異動の話が出た時に、とげのある言葉とやっかみが増えていて、仲良くする事が端からはあまりよく思われていなかったようだから、離れてみてもよいかと承知した。そこより歩いて五分足らずの建物が新しい部署だった。
この仕事は自分には向いていないと思うが、少しでも近くに居たいからと我慢している毎日。だが、近くに居るのに全く会えない。出勤時間が違えば会えるわけはないが、お互いの仕事の都合でたまに会えた時には嬉しくて、でも恥ずかしくて、素直に感情が表せない。
この一年半、会えたのは片手で足りる。
あちらから連絡はない。だからといってそのままも悔しいから、月に一・二度は鳥に文を付けて飛ばす。それは前の部署で一緒だった頃、いわれのないやっかみや意地悪で泣きついてしまった時、いつでも連絡してくださいと言われた。だから今でもそれは有効なのだと勝手に思っているから。
まあ返事は期待しないけど、読んでいるのかすら判らずしつこいと思われているのでは、と気になっていた。
そうしたらたまたま出勤途中で会えて、なんだ元気じゃない、と言われてああ弱音を吐いたのを読んでくれていたんだと、それだけで舞い上がるほど喜んだのは馬鹿なんだろうか。
うん、馬鹿だけどこうしてずっと想い続けるんだろうな。
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。