本日は木ノ葉の里火影歴史資料館へようこそいらっしゃいました。
ご案内を努めさせていただく私、臨時で本日任されました猿飛と申します。拙い案内となりますが、どうか皆様最後までお付き合い宜しくお願い致します。

まずは木ノ葉の里の歴史からご説明させていただきます。壁の年表と、ガラスケースの中の初代様二代目様の直筆の書物をご覧下さい。里の創成期の苦労が日記のように記してあります。

次は初代火影様からそれぞれの部屋を順番に回って行きたいと思います。


さてこちらが、六代目火影のはたけカカシ様の展示部屋です。
伝説ともなりました、写輪眼のカカシという呼び名はこの決して普段は見せない左目に収まっていました。その目を実際に見た者は多数存在致しますが、戦闘中しか開かれない為に写真としては一枚も残っておりません。
ですが伴侶となられた方とは、まだ左目が赤い若き頃より素顔を晒して笑い顔の写真を撮られたと私も聞いております。
六代目に近しい部下やご友人方も、流石に巷には赤い目のお姿の写真は存在しないだろうとのお話しでした。
皆様も、第四次忍界大戦後の両目とも濃紺のこのマスク姿しかご覧になった事がないでしょう。しかし顔を半分隠していても想像できる美丈夫な火影様です。
昔から普段はとても無口でしたが、仲間思いで少しぶっきらぼうでも誠実なお方だということは誰にも解りました。加えて美丈夫、忍びで憧れない者はいないと言われる程でした。あ、今もですね。
その六代目の伴侶は現在のアカデミーの校長先生だという事は皆さんもご存知ですね。とても優しく時に厳しく、六代目と共にこの里の子供達を見守っていてくれます。

さてこちらのケースの中の巻物をご覧下さい。
十五程前の婚姻届です。現在普及している紙一枚の婚姻届の用紙はまだありませんでした。
提出先も忍び達の長である火影です。ですから要綱の印刷された専用の巻物に両者の自筆で名前をしたため、二人で火影の元へ持っていく事になっていました。そこで二人の心構えなどを火影に確認され、婚姻証明の印鑑を巻物に押していただき終了です。
心構えというのは、その頃はまだ忍びは死に近かった為にそれでも愛を貫けるかを火影が二人に問うたのだと言われています。
二人が恋人同士になった頃、六代目はまだ現役の戦忍で校長先生も若手のアカデミー教師でした。二人それぞれにもっと相応しい相手がいるだろうと、先代以前のお年寄り達には大分反対されたそうです。
その時の火影は先程あちらでご覧になった三代目猿飛ヒルゼンで、引き離されそうになった二人が手を取り合い青い顔と涙目で火影屋敷に駆け込んできた際に勢いで婚姻届に判を押してやったそうです。元々三代目は二人を子供の頃から知っていましたから、陰ながらずっと応援していたと聞いています。
その辺りについては巻物の横に詳しい説明のボードがありますので、後ほどゆっくりご覧下さい。
次の七代目の展示室は、現役の火影でまだ資料収集の最中ですので公開は今暫くお待ち下さい。
ではお時間まで自由行動となります。大きな声は控えて静かに見学をお願い致します。


えーと……木ノ葉のカカイルを見守る会の皆様方、ご来館ありがとうございました。本日の案内は、発熱して休みの係員の代わりを今朝いきなり任務を依頼された猿飛ミライでした。ご清聴感謝致します。
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