カカシさんと初めて結ばれたのは
やはり“酔った勢いで”ってやつだった。

酒を飲んでいなければ寝なかったろうし
ましてや彼の家まで行くなんて事も無かったと思う。

もとより俺は、カカシさんが俺に思いを寄せている事に気付いていた。

俺を見る目つきだとか、何気なく手に触れてくる時とか
とにかく絶対気があるだろってくらい俺には優しかった


俺もカカシさんの事は嫌いではなかったし、むしろカカシさんとだったら“男”を経験しても良いかも…と思ったくらいだ。

しかし。 しかしだ。
カカシさんの色事に関しては派手な噂も沢山耳にしていたものだから
俺は警戒に警戒を重ねるくらい注意もしていた。

二度は寝ても三度目は無いとか、一度も真剣な付き合いをした事は無いとか。

要するに この人には体を許しても、遊びと割り切らなきゃ駄目なんだと言う事らしく…
俺はそんな付き合いは出来ないし、したくはない質(タチ)なんで
とにかく帰りも「送ります」と言ってくれるのを何とかやんわり断っていた。


普通に会話をしている限りでは、遊び人な感じは微塵も見せない

そりゃそうだろ、今は俺を落とそうと必死なんだから。
俺は そんな高飛車な考えでいた。
至極冷めた目でカカシさんを見ていたのかもしれない。


だけど、あの夜は。 カカシさんと初めて寝た夜は

俺も、ちょっと嬉しい事が有ったものだから
いつも以上に酒を飲み、いつも以上にハシャいで喋り
「今日の先生 いつも以上に可愛いです。」なんて言う、カカシさんの目を細めさせた。

ああ…こんな日なら、この人に抱かれてしまってもいいかもしれない。
そのくらい上機嫌だっだ。

で、気が付いたらベッドの上で
カカシさんが「ホントにいいの?先生後悔しない?」なんて
仰向けに寝る俺にウットリとした顔を近付けていたんだ。

「カカシさん…?」
「うん。カカシです。」
「俺…」

何か言おうとした途端に唇は塞がれ、手は指で絡め捕られ
あんなに警戒していた心と体は、いとも簡単に解け
久しぶりに感じる他人の体温と、有り得ないくらい近くに感じる息づかいに
頭もボーっとしてきて、もうどうでも良くなったのが正直な話だ。

こうして俺の名もカカシさんの「寝た人リスト」に入るのか。
きっと数多くのくのいち達と一緒に肩を並べるのだ。最後に抱いたのは どんな人だったんだろうか。

「 !ぁ…あっ !」
「せんせ…可愛い…。」

どう考えてもこの態勢は俺が「下」って事だよな。

「 ぁ…やっ!」

うわーー!!カカシさんが俺のを口で…!?

気持ち良いけど、頭のどこか隅っこで冷静な俺が色々と考えている。

今 カカシさんは俺だけのカカシさんになっている

でも こんなイヤラシイ事、今まで何人の人とヤってきたのか

頭の中には三桁の数字が浮かぶ。まさかそんなに!?
いや、これは俺が勝手に想像しただけの数字であって…

頭の中であれこれ考えながらもカカシさんに散々喘がされ
終いには後ろも時間をかけて優しく解され
「先生好き。愛してる。」って言われながら、ひとつになった。

で 結局抜かずの何とやらで何度もイかされたのだけど

朝目覚めてからも結構俺は冷めていて
あ~やっちゃったなぁ…とか、カカシさんの「寝た人リスト」に名を連ねたなぁとか
ボーっと枕に頭を乗せたまま考えていた。

『もうどうでもいいか。俺も少し遊んでみるのも良いかもしれない。』

不本意だが、そう割り切らなければ胸にモヤモヤが溜まるだけだと思った

なのに

「先生、俺と付き合ってくれますか?俺、ずっと前から先生が好きでした。」

と、まるで俺を恋人にでもしたいかのようなセリフをカカシさんは吐いたのだ。


ああ そうか。もう一度くらい抱きたいと思ったのかもしれない。
このままバイバイすると抱かせて貰えなくなる恐れが有るからだ、きっと。

男とは初めてだったけど 気持ちも良かったし、自然と受け入れられた。カカシさんが上手いからかな。

『まあ…いいか。割り切るって決めたじゃないか。』
「そうですね、いいですよ。」

彼が飽きるまで付き合うとするか。

相手が男なだけに、そう軽く考えていたのかもしれない


「…先生…初めて俺と寝た時 そんな事考えてたの?」

今ベッドの中、俺の横でカカシさんが
軽くショックを受けたような顔で此方を見ている。

そんなカカシさんに気遣う事もなく、俺はケロッとした顔で答えた

「はい。恋人って言ったって、すぐに別れるつもりなんだろうと見くびってました。」

エヘッと笑うと「ひどいっ!!先生のバカっ!!」うわ~ん!!て感じで抱きついてきた。

「俺は先生一筋です!!確かに先生を知る前は恋人なんて特定の人は作りませんでした。」

でもね。先生の事は真剣に好きになったし、今でも勿論愛しているし…

「 !!ハッ!!まさか先生ったら…いまだに“軽い気持ち”のセックスフレンドくらいにしか思って…」
「それは無いですよ!俺もカカシさんが大好きですっ。」
「せんせぇっ!!」


ムギュッと抱きつきカカシは思った

紅が「ピロートークって結構大事よ。」なんて言ってたから
昨夜は先生が意識を失う前に我慢して止めて
話をしようとピロートークとやらを実践してみたのだが…

まさかこんな明け透けな話を聞かされるとは思わなかった

良かったんだか 悪かったんだか 微妙~

男同士にピロートークなんて必要無いかも…とちょっぴり後悔したのであった。



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